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アンソロジー「隠す」 アミの会(仮) [本]



アンソロジー 隠す

アンソロジー 隠す


作家11人が「隠す」をテーマに書き下ろした短編集。
アミの会(仮)アンソロジー、第3弾。
『理由(わけ)』   柴田よしき
『自宅警備員の憂鬱』 永嶋恵美
『誰にも言えない』  松尾由美
『撫桜亭奇譚』    福田和代
『骨になるまで』   新津きよみ
『アリババと四十の死体/まだ折れていない剣』光原百合
『バースデイブーケをあなたに』大崎梢
甘い生活』     近藤史恵
『水彩画』      松村比呂美
『少年少女秘密基地』 加納朋子
『心残り』      篠田真由美
それぞれに読み応えありました。
ちょっと怖かったり恐ろしかったり・・・。
近藤史恵さんの『甘い生活』は人のものをほしがる性癖の女の子が成人してその末路が衝撃的でした。
加納朋子さんの『少年少女秘密基地』は主人公が小学生の男の子の冒険から始まるお話でハラハラドキドキ。真相がわかるとちょっと笑えました。
「それぞれの小説に共通のアイテムが隠されている。」とあとがきに記されていて3篇目で「これかな?」と思ったらそうでしたが2篇目のどこに出てきているのかわからず3回くらい読み直してようやくみつけました。
いかに字面だけを追っているのかを再認識しました(苦笑)
第1弾 「捨てる」
第2弾 「毒殺協奏曲」に続き第3弾なんだそうです。
「捨てる」は読んだのですが「毒殺協奏曲」は未読でした。でも題名からしてちょっと怖そうですね。

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「YOGA」 ケン・ハラクマ [本]



ヨガから始まる―心と体をひとつにする方法 (カルチャー・スタディーズ)

ヨガから始まる―心と体をひとつにする方法 (カルチャー・スタディーズ)


先月からヨガを始めて先生のお話からヨガについて少し知りたいな、と思い本を探してました。

検索しようにも「ヨガ」だけでは膨大すぎてなかなか読みたい本に到達できません。「ヨガ 経典」で調べてみると難しげな本ばかりです。そこまで知りたいのではなくてアウトラインだけでいいのでした。


図書館で見ただけなのですがやっぱりポーズの本が多かった中でこの本は文章だけでした。

こういう本は著者が何者かわからず下手をすると宣伝だったりするので要注意と思いながらも

「とりあえずちょっと読んでみるか・・・」

と、読み始めました。最初は自伝だったので飛ばして読みました。そしてヨガの話になるとなかなか読み応えがありました。すべてを受け入れるわけではありませんが共感できる部分もあったり示唆を受けたりする部分もありました。


Amazonレビューがあるかな?と思って見てみると結構たくさんあって驚きました。

日本でのヨガの第一人者だそうです。



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読書記録 2017.03 [本]

 
 

 
書名に魅かれて読みました。
書名どおり装幀にまつわるお話でした。
 
以前になにかあって原稿をあえて読まない主義の巻島。
原稿を読むことで装幀のデザインを決める本河わらべ。
この2人は出版社の合併により2人で装幀の仕事をすることになります。

「装幀はあくまでも売る為の広告」と豪語する巻島。
確かにその一面はあります。
そして出版社の組織として装幀室が存在する場合はそれもありでしょう。
編集者が内容を一番良く知っていてそれをレクチャーすればいいのですから。

日本文学文庫本の装幀を変えたら一気に売り上げが伸びたという事実もあります。小説内でも記述されています。

そんな正反対の2人が仕事を進めていきます。

最後は驚きの事実が待っていて「そうくるか・・・。」という感じです。

読んでいて楽しかったです。 
 
 



([ほ]4-2)活版印刷三日月堂: 海からの手紙 (ポプラ文庫)

([ほ]4-2)活版印刷三日月堂: 海からの手紙 (ポプラ文庫)

  • 作者: ほしお さなえ
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2017/02/03
  • メディア: 文庫




これは「活版印刷三日月堂」としては2作目になります。


この作品はベースに「生と死」というテーマが流れていて結構内容の重い本でした。
でも読後感は爽やかです。

映像作品にしてほしいなぁ、とつくづく思います。
活版印刷のお店って実際どんなんだろう? どういう作業をするんだろう?
活版印刷の印刷物を見てみたい、と思います。

組んだ活字を解体する「返版」という作業が大変なんだというお話が出てきます。
組んでいくのは達成感があるけれどせっかく組んだものをそれぞれの場所に戻すのはなかなか大変そうでまたやるせないです。
そういう仕事もあるわけです。


文庫本でしか出版されておらず単行本で出版してほしいな、とも思います。
文庫本ならではの読者もいるのだろうけれど平積みにして本の顔を見せて売ってほしいと思うのです。本屋大賞には文庫本は入らないそうで余計に単行本にして欲しいと思いました。



あとがきに、ほしおさなえさんのお父様が小鷹信光氏ということが書いてあって「そうだったのか。」と思いました。
小鷹氏の本は読んだことがないですが作家としてお名前は知っています。
そういうDNAが流れているのかと。そしてきっと本に囲まれた環境だったのだろうな、と思います。

有吉玉青さんのエッセイか何かを読んだときに「こんな文章が書けるのか・・・。」と思いました。
有吉さんに限らず作家の子どもってやっぱり書く文章が違うような気がします。
 
 
 
 

([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)

([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)

  • 作者: ほしお さなえ
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2016/06/03
  • メディア: 文庫

 
 
 
 

 
 
 

情熱のナポリタン―BAR追分 (ハルキ文庫)

情熱のナポリタン―BAR追分 (ハルキ文庫)

  • 作者: 伊吹 有喜
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2017/02/14
  • メディア: 文庫

 

BAR追分シリーズ 3作目
路地裏の商店街での人間ドラマ。 
さすがに3作目ともなると面白みがなくなってきたか、と2章までさらさらっと読みました。
3章目でちょっと面白くなってきて 4章目は表題になるだけあってグイグイ読み進みました。
脚本家をめざす主人公、飛躍のチャンスが目の前に・・・。
それぞれにいろんな分岐点がありますね。
 
 
Amazonのレビューに指摘されていたのですが、「ホットドッグ」という言い方は地域的みたいで東京方面では「アメリカンドッグ」というみたいですね。微妙にいろんな言い方があるんですね。
 
 
 
 

BAR追分 (ハルキ文庫)

BAR追分 (ハルキ文庫)

  • 作者: 伊吹 有喜
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2015/07/11
  • メディア: 文庫
 
 
 
 
 
 

オムライス日和 BAR追分 (ハルキ文庫)

オムライス日和 BAR追分 (ハルキ文庫)

  • 作者: 伊吹有喜
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2016/02/12
  • メディア: 文庫

 

 

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「リーチ先生」 原田マハ [本]


 

リーチ先生

リーチ先生


 
陶芸家バーナード・リーチの日本での半生を助手の岬亀之助の視点で描かれています。
リーチについては名前は知っていましたが少しの作品を見たことがあるくらいで詳しくは知りませんでした。

この小説では名前しか出てきませんが高村光太郎がキーパーソンです。

いろんな繋がりってほんとに「御縁」だと思います。

日本で陶芸の技術を身につけ、名をなしたあと故郷のイギリスに戻っていたことは知りませんでした。

新聞に連載された小説のようでちょっと復習する感じで以前の話が繰り返されたりしているせいか500ページ近くあり、2週間で読めるかと心配しましたが読み始めるとどんどん進みます。
10日ほどで読めました。

若干最後はパタパタと終わらせた感もありますがこれ以上この話が続くのもちょっとしんどかったかな?
サイドストーリーがあってもいいかな?とも思いますがないでしょうね。
 
 
先日観に行った京都国立近代美術館コレクション展でいつも富本憲吉や浜田庄司、河井寛次郎、リーチなどの陶芸作品を展示していたと記憶していたので久しぶりに対面できると期待していたら一切ありませんでした。ちょっと残念でした。
 
 
それにしても原田さんまた新刊が出てました。
追いつくのに必死です。 
 
 

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「余命半年、僕はこうして乗り越えた!」 西村元一 [本]

 
 
 
 


 
 
書名はちょっと売り文句ぽくって残念なんですが内容はしっかりしています。
たまたま雑誌でエッセイを読んでいてお名前や内容を知っていました。
そうでなければこの本は手に取りませんでした。
金沢赤十字病院副院長(専門は大腸がん外科医)をされていて職場の病院で体の異変を感じてそのまま入院。
診断結果は胃がん。何もしなければ余命半年。

患者と医者のずれを感じた諸々のことが書かれています。
後半は著者の半生を綴られています。
もうちょっと患者としての治療経過など知りたかったです。
最近は薬が改良されているのか、がんの進行をおさえたり、がんを治したりしているみたいですね。
この先生も手術と抗がん剤などの治療によってがん宣告以来1年以上経過しています。
その間、闘病する中でいろんな波があったようですがこうして本を出されたり講演をされたりしておられるることを思うと薬の威力を思い知ります。
がんと言えば、手術を勧めない近藤医師がおられますがそれを提唱されてからもう20年近く経っているのではないでしょうか。
当時は手術をしないほうがよかったこともあったのかもしれませんが現在ではどうなんでしょうか?
今は抗がん剤の止め時のことを書かれている医師もいます。
 
そしてもうひとつ。
がんを患う前からがん患者や家族の支援場所を作りたいと考えていたそうですが本人ががんとなり、その活動が一気に加速して金沢にはそういう支援場所ができようとしているそうです。
イギリスにはそういう支援場所「マギーズセンター」(呼びかけ人の名前を冠しているようです。)が20箇所もあるそうです。
日本では東京に2016年10月にオープンしたそうです。
もっともっと広がってほしいです。 
 
 
 

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朝井まかて さんの本 2冊 [本]

時代物は苦手なのですが朝井さんの本は面白いので手がのびます。
年末にに2冊読みました。
 
 


最悪の将軍

最悪の将軍




江戸幕府五代将軍 綱吉のお話です。
タイトルにあるように「最悪の将軍」。 ほとんど評価されていないのかもしれませんが新しい解釈もあるのかな?と読みました。

兄である四代将軍家綱の急死によって思いがけず将軍となった綱吉。
高い志もなかなか理解されずむしろ曲解されたりしたのかもしれません。

大火や地震、洪水、浅間山噴火、富士山噴火 赤穂浪士討ち入りまでいろいろと起こり普通に政治を行っていてもなかなか民からの信頼は得られにくい状況だったようです。

為政者は孤高なんでしょう。

歴史をよく知っていたらもっと面白く読めたのかもしれませんがそれでも充分楽しめました。
 
 



残り者

残り者

  • 作者: 朝井 まかて
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2016/05/18
  • メディア: 単行本

こちらは江戸幕末のこと。
江戸城明け渡しの際、大奥の女性たちもまた出ていかなけらばならないのです。
そのさなか、用事を思い出したり、大奥にいた猫を探したりして外へ出そびれてしまったりした女性がいてその女性たちのお話です。
一人は最後に確認して出ようとしたのでしょう。

早く出なければいけないのに針競いをしたりして夜を迎えてしまうのですがこのあたりは読み物的だな、と思いました。夜が明けて官軍の人たちが江戸城内に入ってくるので隠し扉や裏道を通ったりして外へ出るのですがそのあたりはスリリングでした。


江戸城明け渡しのこともよく知りませんが確かに大奥の女性も出て行かねばならず大変だったのでしょうね。
反乱も起こらず無事に事が運んだものだと感心しました。
余裕があればそれらのことも知りたい気がしますがなかなかそこまではたどりつかないです。

読み物としては面白かったです。

 
 
 

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「活版印刷 三日月堂」 ほしおさなえ [本]



([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)

([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)

 
 
 
 
 
 
 
活版印刷という書名に惹かれました。
いい本だとやっぱり予約者が結構いるのですよね。
ようやく順番が回ってきて早く返さないといけないので大急ぎで読み始めました。

大急ぎで読まなくても次の章が気になってほとんど一気読みに近かったです。

最初からは印刷屋さんの話が出てこなくて「あれ?」と思っていたら出てきました。
印刷屋の店主が高齢のため店じまいをしていて5年が経っているところへ孫娘が住むために引っ越してきたのです。
そうしていろいろ話が展開していってお店を再開することになります。
彼女は学生の頃にこのお店を手伝っていたので作業自体は把握しているので再開できたわけです。

そのお店に訪れるお客さんとのやりとり、それぞれの思いを回想したりして章が進んでいきます。
 
高浜虚子の俳句も出てきたりしてそちらも興味を持ちました。
宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」も話題になるのですがこちらはちょっと苦手な分野なのでサラッと読みました。
どちらも奥が深そうです。 


時には印刷の説明が会話に入っていたりしてそれに違和感を持つ方もいるようですが私には知らないことばかりだったのでとても面白かったです。

「インク」ではなくて「インキ」。
ルビの由来。
活版印刷が凹んでいるように見えること。
などなど・・・。


最終章は活字屋さんという(活字を作る仕事)職業もあってその遺品にまつわるお話でこれまた興味深かったです。


活版印刷に絡めながらも店主やお客さん、それぞれの来し方、生き方も描かれていて心地よい小説でした。
 
結婚をあえて選ばなかった女性、迷いながらも仕事を辞めて結婚にふみきり海外赴任について行くと決めた女性。2つの生き方も示されていてこのあたりも女性ならではの生きる上での選択の難しさを感じました。
ただ、どちらにせよ、自分が納得できるかどうかなのかもしれません。 


印象に残ったフレーズ
「みんな失ったものを抱えて生きている」

そうですよね。
悲しみを抱えたりそれを乗り越えて生きているのですよね。


今年最後に読み終えた本がこの本でよかったです。


今年一年このブログにお越しくださりありがとうございました。
このブログも10年以上続けることができました。
マイペースでまた続けていきたいと思っています。
これからもよろしくお願いいたします。 
 
 
年末のためコメント欄は閉じることにしました。
また来年、お時間があるときにコメントをいただけれは嬉しい限りです。 
 
どうぞ、よいお年をお迎えください。
 
 


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「デトロイト美術館の奇跡」 原田マハ [本]

 

デトロイト美術館の奇跡

デトロイト美術館の奇跡


 
  
これからの財源をどうするか?という問題が起こり、手っ取り早く財源にできるのがデトロイト美術館の収蔵品を売却するという案でした。

結局、寄付を募ることで散逸を防いだのですがその話題を元に小説を書かれたようです。
月刊誌に掲載されたのを単行本化されたようで4編からなります。
ほんとにありそうな話で小説家として巧みな描き方だなぁ、といつも感心します。

表紙を飾るセザンヌの「画家の夫人」という絵を軸に連作という形で描かれています。
デトロイト美術館の数ある有名な絵からこの絵をチョイスされるあたりが心憎いです。
この絵をみているはずなのですがほとんど覚えていません。
私が知っているセザンヌの絵からはちょっとイメージが違うような気がします。
実際には奥さんの絵は何点か描かれているようなのですが私は知りませんでした。

特に美人というわけではないけれど、そして服装も質素な感じですがそれでも芯の通った女性という感じがします。

この本の表紙となっているのを知っていたらもっときちんと観たのに、と後悔しきりです。
 
 
 
 
 

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「ピカソになりきった男」 [本]


ピカソになりきった男

ピカソになりきった男

 
 
 
 
 
 
自伝です。直訳的でちょっと読み辛かったのと図書館で借りて急いで返さないといけなかったので斜め読みです。

前書きにあるのですが彼はコピーを作るのはなくて巨匠が描いたかもしれないという新作を描いてました。
そして最初の頃は本物であるという証明をさせて証明書は本物なので当然その絵は本物となるのです。
そのためには
・画家を調べ尽くす
・その時代の画材を入手する
・画家になりきる

こういう風にして贋作を描く高揚感、画家と一体感となることがやみつきになったみたいです。

しかし後半期に一緒に仕事をした仲間は保証書さえも偽物を作る、それはペテンそのものと彼自身も言ってます。

2005年に逮捕、2010年に禁固刑4年、執行猶予3年、保護観察1年 の刑を受けながらも2012年には映画ルノワール、陽だまりの裸婦」のスタッフとして、絵の制作とルノワール役の手の役で協力しているのにはちょっと驚きました。

そして今は
「偉大なアーティスト風の絵なのだがサインするのは俺で他人の作品とは言わずに売られている。」 そうです。

「だから俺は投機目的ではなく家に絵を飾る楽しみのために買う愛好家のために、完全に合法的に描いている。
彼らが買っているのは贋作とも言えるが法的にはそうでない作品である。巨匠の絵を買えない人たちにとっては魅力的、彼らは俺をごく普通に美術館以外で絵的な感動を味あわせてくれる、ひとりのアーティストとしてみてくれている。」 のだそうです。


確かに私なんかはそれが贋作が本物かよりもその「絵」自体が気に入っているのであって本物でなくてもいいように思います。
実際、美術館のショップなどでは限定とはいえシルクスクリーンの絵を販売してます。
それでも結構いい値段してますよね。
画家の財団とかが認定しているからでしょう。

現在も美術館に彼が描いた絵が展示されていると彼は言ってるそうです。
証明書が本物である限りそれはありえますよね。
 
前回紹介した映画「迷宮のレンブラント」の結末も映画を見終わったときは「映画ならではの結末」と思いましたが案外真理かもしれないな、と思い直しました。 
 
 
特に贋作についてとても興味があったわけではないのですがたまたま映画をみたり、本を読んだりして面白かったので載せてみました。
 
 
 


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「眩 くらら」 朝井まかて [本]

 

眩


  
 
葛飾北斎の娘 「お栄(葛飾応為)」 を中心に描いた小説です。

北斎に娘がいたのは展覧会に行ったときに数点展示されていたのでそのときに知りました。 「娘さんがいたのか・・・。」とちょっと驚きました。
女だから跡を継げなかったのかな?などと思ったりあんまり認知されていなかったのかと思ったりしてました。
残っている作品が少なそうでしたから。

朝井まかてさんの本も好きなんですが時代物が多くてちょっと苦手なんですよね。
でも今回北斎にまつわるお話だったので読んでみることにしました。 図書館ではやっぱり予約者多数でした。

朝井さんの本もどこまでが事実なのかわかりませんがアウトラインは事実なんだろうな、と思います。
小説内で北斎の絵の手助けをしていたことが描かれていますし、自分の名前では作品の価値が低くて値段が高くならないので代筆をしても「北斎」の名前で売っていたようです。
決して贅沢をしている生活ではなかったようですが借金が多いようでした。
その要因の一つに北斎の孫、(お栄の甥)の尻ぬぐいをしている様が描かれてました。
どこまで事実かわかりませんが。
 
この本の表紙を飾っている絵は「吉原格子先之図」(太田記念美術館所蔵)で惹きつけられる作品です。 
落款はないのですが3つの提灯にそれぞれ 「應」 「為」 「栄」の文字を入れてわかる人だけがわかるという隠れ落款の細工をしているのも憎いです。
 

それにしても「富嶽三十六景」は北斎が病から立ち直って70過ぎの作品だと知り驚きました。
北斎は90歳まで長生きしたそうです。
北斎の死後、お栄は消息不明だそうです。
 

あんまり浮世絵は好きでないのであえて展覧会は観に行ってないのですがそれでも北斎だけはちょっと観ておこうと気になる人です。
今後、北斎展があったら応為の作品が展示されているかを確認して行きたいと思いました。





お栄こと「葛飾応為」に興味がわいて図書館に何か本がないかと調べたら2冊ありました。



応為担担録 (河出文庫―BUNGEI Collection)

応為担担録 (河出文庫―BUNGEI Collection)

  • 作者: 山本 昌代
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1990/04
  • メディア: 文庫

こちらは古い本なので大活字本しか所蔵していなかったのですがそれで読みました。
山本昌代さんのデビュー作のようです。
北斎親娘のあるときのエピソードが描かれてました。会話が多くて落語の本を読んでる感じでした。
普通大活字本だと数冊になるのですが1冊に収まっているので短編であっという間に読めました。

もう一冊

北斎娘・応為栄女集

北斎娘・応為栄女集

  • 作者: 久保田 一洋
  • 出版社/メーカー: 藝華書院
  • 発売日: 2015/04/30
  • メディア: 単行本

 

応為、北斎の絵を集めていろいろ解説してありました。
ちょっと専門過ぎてついていけませんでしたが絵を観るのは面白かったです。

「眩」の章の題名が一部、絵の作品だったようでそれらの絵を確認できました。

展覧会で展示されていてもその後オークションに出されて所在不明になっている作品も何点かあって写真だけが残っているというのもなんだか寂しいです。
 
落款というのも曖昧でそれを押せばその人の作品になってしまう恐れもあるんですね。


仙人になりたいと思うような奇女だそうで炊事・掃除などの家事はまるでだめ、時間があれば絵のことを考えていたいし、絵を描きたかったようです。
消息不明後もフラフラと絵を描いて自由に生きていたのでしょう。
面白い人生を生きた女性に出会えました。